早期アウトブレイク対応ガイドライン
武漢を起源とするコロナウイルスのアウトブレイクは約20%の重症例と2%の致死率をもたらしています。典型的な潜伏期間は3日間ですが、14日間もある場合もあり、更には24日間と27日間だった報告もあります。特別な介入が行われない限り、新しい症例ではR0(基本再生産数)は約3〜4、毎日50%増加するほどの高い感染率です。これが広範囲にわたるパンデミックまたは風土病(エンデミック)になると、世界中のすべての人の生活が変わってしまいます。今一番大切なことは、アウトブレイクを封じ込め、拡散を止めることです。私たちは、個人、コミュニティ、政府の行動のために以下のガイドラインを提供します。
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ビジネスへのガイドライン
家族向けのガイドライン
個人・コミュニティ・政府へのガイドライン
新型コロナウイルスの症状を軽減させる呼吸器の健康について
日常生活とCOVID-19(英語版)
その他有用なガイドライ
大規模なテスト缶停止コロナウイルスのアウトブレイク
家族向けのガイドライン
政府が適切な措置を講じていない高リスク地域において、家族やグループを守ることは困難です。火が広がるには可燃物が必要なのと同様に、COVID-19の伝染には、感染しやすい個人の連鎖を要します。解決策としては:
家族や他人との接触を減らし、本当に必要なものだけに対応し、リスクが高まるにつれて他人との接触を更に減らす
そこにいる人同士で、お互いとの、そして他人が触った物との無防備な物理的接触を避けることに合意し安全なスペースを作ります。
安全なスペースにいる人は病気の伝染に関与しないため、伝染も抑制します。他の安全なスペースと組んで空間を慎重に拡張したり、新しい空間を作ることができます。以下は家族向けのガイドラインです。
家族と他人との接触を減らそう:
個人向けのガイドラインをよく読み、家族と共有します。他人との接触を減らす方法について話し合いましょう。
家族の集まりをヴァーチャルにシフトします。そうすることで、現在のアウトブレイクは、収まるか、もしくはそれでも広がる可能性があります。前者の場合、数か月後には平常に戻ります。後者では、さまざまな行動が必要になります。
自分と家族が処方薬を含む必要な物資を持っていることを確認してください。高齢者だけでなく、50歳以上、持病のあるような脆弱な家族も、他人との接触リスクがあることを考慮してください。接触を減ら はし、公共の場所に行かず自宅にいられるようなサポートを提供しましょう。
集合住宅(老人ホーム、生活支援施設など)にいる家族を、家屋や小さなグループ施設など、より孤立した宿泊施設に一時的に移動することを検討してください。
接触を減らすことができない場合は、集団施設の責任者と話し合い、感染予防策のレベルを上げてもらいましょう。
公共の集まりやイベント、レストランなど、特に狭い場所は避けてください。
高リスク条件下での安全なスペースをつくろう:
安全なスペースの主な目的は、人々のグループが独立したユニットを形成し、外部の人との物理的な接触を最小限に抑えながら、活動を可能にすることです。
個人は政府主導のトップダウンの安全対策を待つ必要はありません。積極的かつ体系的な介入がない場合、自主的な個人スペースの確保は有効です。漸進的にスケールアップすることにより、セーフ・ゾーンは局地的アウトブレイクを遅くしたり、止めることさえできます。
安全なスペースは、同じ宿泊施設を共有する家族または複数名から始めることができます。安全なプロトコルが確立され遵守されている場合、複数の住居を組み合わせること、両者間で移動すること(徒歩や運転)ができます。安全なスペースをうまく確立させるには、すべての参加者が、外部との物理的な接触を最小限に抑え、それに従うという原則に同意する必要があります。それには、行動と協力の仕方について明確な指示が必要です。同じ安全な空間にいるメンバーは、旅行の履歴と健康状態について正直でいるべきであり、互いの健康に責任を持つ必要があります。
個人が共有空間にコミットするには、仕事、学校、家族、友人との取り決めが必要になる場合があります。雇用主の承認を得て在宅勤務をしたり、休職すること等が必要な場合があります。
安全なスペースでの長期滞在(最低1週間以上)は、物資の入手を含めて事前に準備を行う必要がありますが、必需品の調達中は、人混みに晒される可能性があるため、特に注意が必要です。この状況では、サバイバリスト戦略が役立つかもしれません。何かを調達しに出かける度にリスクを伴うことから、必需品を前もって計画的に把握しておく必要があります。
可能なら、スーパーへ行かないで済むよう食料を含め物資は配達で手配しましょう。届いた物資は誰かが扱う必要があるため、ある程度の注意が必要です。配送業者が手袋を使うなど合意がない限り、感染が活発な地域ではそれぞれの洗浄または消毒をお勧めします。
外部との物理的な接触が避けられない買い物など重要な行動については、効率的に接触の時間と範囲を最小限に抑えられるように事前にメンバー間で計画する必要があります。安全なスペースから出入りするのは注意が必要です。触れるべきでないアイテムを掴んだり扱ったりするための手袋または使い捨てアイテム(ペーパータオル)、ハンドジェルまたはアルコール、マスクなど、適切な個人用プロテクションを使用してください。スペースから出入りする時は必ず洗浄または消毒が必要です。
スペースのメンバー間の人間関係と精神状態を良好に保つためには、コミュニケーションとお互いへの思いやりが必要となります。このような緊急事態には特別な行動と犠牲が必要であることを認識することが不可欠です。緩和される可能性はありますが、相互サポートの重要性が変わることはありません。
安全なスペースのメンバーは、1人または複数のメンバーが感染症状を示した場合にとるべき措置に関する情報を入手する必要があります。アクションは国/州/場所によって異なり、動的でもあります。メンバーは、グループの全員に最新の緊急時の対応計画と連絡先を互いに知らせる必要があります。メンバーが典型的な症状を示した場合、他のメンバーは迅速に行動して、検査を受けさせ、結果が出る前に予防的隔離を行う必要があります。
アウトブレイクが進行するにつれて、安全な空間から出て家族や友人を助けるか等、難しい状況に対面する場面が出てきます。このような難しい判断を下す心の準備をしておく必要もあります。
リスクの高い状況下で、安全性の低い誤った措置が取られてしまう可能性があります。個々のイベントに対する過剰な反応を避けるために、単一の行為が危害の可能性が低いことを認識することが重要です。誤りが重複してしまうと、リスクが劇的に増加します。過ちから学ぶことが、告発、非難、罰よりも重要です。
個人およびコミュニティへのガイドライン
自分の健康に責任を持ちつつ、高い意識と規律を持って周りの人達の健康状態への責任を分かち合って下さい
他人との触れ合いを避けましょう
公共または共有スペースでもの表面に触れないようにしましょう
集まりは避けましょう
他人との直接の接触を避け、定期的に手を洗い、マスクを着用します感染している可能性のある他の人と接触する可能性がある場合はマスクを着用して下さい
咳・くしゃみをする場合は手、衣類、布なので拡散をさけましょう
体温、そしてその他の感染症の初期症状(咳、くしゃみ、鼻水、のどの痛み)を監視して下さい
初期症状が見られる場合は自己隔離をして下さい
症状が進行してしまった場合は、政府の推奨基準に従い、医療施設へ安全に移動して下さい。公共交通機関は避け、マスクを着用して下さい。
リスクの高い地域では、人との接触を避けてコミュニティのメンバーに必需品を提供して下さい。物資はドアの外に置いておくことができます
周りの人と協力して、安全なゾーン、安全なコミュニティを作って下さい。家族や友人と安全について話し合い、安全なガイドラインを共有し、誰が安全なガイドラインに従っているかを把握し、共有ポリシーを設定し、フォローアップし、お互いのニーズ、懸念、安全を確保する更なる手段を共有して下さい。
噂などには惑わされないようにし、誤報も広めないで下さい
コミュニティと政府へのガイドライン
感染が活発な地域や国に近い場合は、国境及び地域の境界で症状のチェックを実施して下さい
感染のない地域はに入って来るリスクのある個人に対しては、14日間の隔離を実施して下さい
リスクの高い地域では、コミュニティー内で赤外線(IR)温度計などを使った、個人用保護具(PPE)を着用してのドア・ツー・ドア・モニタリングを実施して下さい
ドア・ツー・ドア・モニタリングをするチームは、サポートを必要としている個人を特定する必要があります
政府へのガイドライン
マスク、PPE、テストキットなどの戦略的物資、そしてそれらの配布ルートを事前に確立して下さい
感染が確認されるエリア、疑わしいエリアを特定して下さい
感染エリアと非感染エリアの間の不必要な輸送作業を停止して下さい
感染が確認された・疑わしい個人は、個人保護装置を含む、適切な医療リソースを備えた指定された施設に隔離して下さい
症状をみせる個人は、タクシーを含む公共交通機関を避け、検査のできる指定の医療施設に、確立された輸送方法で移動させて下さい
感染者の近辺にいる感染の疑いがある個人を全て隔離し検査して下さい
市民の意識を高めて下さい:
• 典型的な症状と感染手段
• 医療施設での処置を求められるよう、高い感染率と軽度の症状を理解させる
• 手洗い、マスクの着用など、個々の衛生状態を高め、人との接触を避ける
公の集まりを停止して下さい
刑務所、医療・リハビリ施設、介護施設、養護施設、老人ホーム、寮、ホステルなど、人口密度の高い施設を出入りする人簿との健康状態を注意深くモニターし、リスクを回避して下さい
感染地域での個々の責任感を高めて下さい
日常的に頻繁に人と触れ合うグループを確立して下さい。グループに属す個人の健康状態を毎日確認することにより、感染の可能性を把握し、更なる核酸を防いで下さい。
遠隔地とコミュニケーションを密に取り、物資の配給をして下さい
国際的なコミュニティー、WHOと連携し、感染、感染者の移動経路、治療、予防戦略、医療器具の不足についての情報を共有して下さい
COVID-19に似た症状のをもつ、非COVID-19感染者の治療を計画しておく
感染率が高い地域では
• 礼拝場、大学、学校、会社など、接触の多い場所を閉鎖して下さい
• 人々の行動範囲を家屋内に制限し、接触をせずにサポートや生活必需品を提供する
• 初期症状やサポートのニーズを、コミュニティーの協力を得て、ドア・ツー・ドアで検証して下さい
ビジネスへのガイドライン
以下は、コロナウイルスの拡散を防ぐために企業ができるさまざまなアクションのリストです。リテールおよびホスピタリティについても特別な考慮事項が含まれています。
一般
従業員とその家族の、コロナウイルスの伝播と予防に関する理解を促進して下さい
伝染を減らすための、企業毎のポリシーを開発し、細心の注意を払って実施して下さい
軽度の症状が出た場合でも出社や直接のミーティングに出席してはいけないこと、病欠にペナルティーは無いということに対する理解を従業員に促し、報告システムを作って下さい
症状が軽度であっても、従業員がケアを求めることを躊躇しないように、従業員全員が適切な健康保険に加入していることを確認して下さい
従業員におけるコロナウイルスの早めかつ迅速な検査を実施できるように、地元の医療施設と提携して下さい
状況が悪化し、従業員が必需品(手の消毒剤、アルコール、マスク、赤外線非接触型額温度計)を入手できない場合に備えて、準備をして下さい
組織の最も脆弱な部分を強化することによって、事態が悪化することを回避してください。
ミーティング、出張、訪問者
ミーティングはリモートに切り替えて下さい
可能な限り在宅勤務に切り替えてください
リスクの高いゾーン(レッドゾーン、オレンジゾーン、そしてイエローゾーンも)への出張を制限して下さい
必要でない出張を許可しないで下さい
通常なら必要とされる出張もキャンセルできるように、会社の文化、運営体制を見直してください
訪問者を制限する。居住ゾーンの警戒度コードやコロナウイルスに対する対策を確認し、それに基づき出張を却下するポリシーを実施して下さい
職場
フレキシブルな労働時間、また労働時間をずらすなどして、職場の人口密度を下げる。人口密度は、常に通常の50%まで下げて下さい。
感染が確認されている地域から戻って来る従業員には、出勤を再開する前に必ず14日の自己隔離をすることを義務づけて下さい。また、従業員は、各々の健康状態を注意深く監視・報告し、必要に応じて医療処置を求めるようにして下さい。
出入り口では、赤外線非接触型額温度計を持つスタッフを常駐させて下さい
毎日従業員の体温を測定し、人との接近を避けることができない場合はマスクを提供して下さい[1]
出入り口やオフィス入り口に手指消毒剤を設置し、通路をコントロールすることによって、入場時の手洗いを促進して下さい
エレベーターでのクラスタリング避けて下さい。エレベーターには、収容人数の半分以上の乗客を乗せないようにして下さい。
作業スペースは少なくとも1メートル間隔をおいて区分し、各作業スペースは少なくとも3平方メートル設けて下さい。従業員数が多いオフィスでは、間隔やスペースを更に大きくして下さい。
共有エリア、通行量多いエリア、頻繁に触れられる面の殺菌消毒をしてください
エアコンを使用せざるを得ない場合は、換気はしないで下さい。フィルターなど、主要部品は毎週清掃・消毒・交換して下さい。
食事のタイミングはずらし、最低1メートル間隔を置く。対面して座らない。食器などは分け、頻繁に殺菌消毒する。食堂スタッフは、健康状態を頻繁にチェックして下さい。
外出を避けるため、弁当の配達などを促進して下さい。並ばず、かつ人との接触をせずに弁当の受け渡しをできるように、手配して下さい。
従業員の通勤手段を把握し、公共交通機関を避ける、たくさんの人が触れるものには触れない、手洗いをする、リスクの高いエリアではマスクを着用する、などの勧告をして下さい
コロナウイルスへの対策を設定する責任者を明確にして下さい
リテールおよびホスピタリティ
人との接触が多い産業は、多大な影響を受ける可能性があります。早い段階での効果的な介入をすることでリスクを軽減することは可能ですが、それが社会全体で取り組まれない限り排除することはできません。
軽い風邪のような症状であっても、必ず他人との接触を避けないといけません
日々の人との接触の明確な記録を取り、保管して下さい。もしも感染があった場合に、感染者と接触した全ての人との対応をできるように、また、従業員とお客様療法へのリスクを軽減するためです。
なるべく人との接触をせずに業務を行える手段を設定・実装しなければいけません。例えば、
• 商品の受け渡しをする窓口を設置する。列を作る場合は、十分な間隔を空けて並ぶ。
• ドライブスルー窓口の設置
• 接触のない宅配サービス
マスク仕様の効果については、さまざまな意見がありますが、①軽い症状でも、症状がある場合は、人との接触を避け、公私共に人と接触する場合はマスクをお着用して下さい。②健康状態が良くない人がマスクを着用することに 負い目を感じないように、公の場でのマスクの着用を受け入れて下さい。③マスクを着用したからといって健康が損なわれない確証はなく、医療施設など優先度の高い現場があるので品薄にはなっているかもしれませんが、人口密度が高く人との接触が避けられない場所での着用は感染のリスクが劇的に低下します④50歳以上の人、既存の健康上の問題がある人、またはリスクの高い地域にいる人には、コストが高くてもマスクを着用することを推奨します。